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3年半かけて花粉症を克服した。【舌下免疫療法体験】


重度のスギ花粉症だった自分が、2018年から3年半かけて花粉症対策の舌下免疫療法をしてどうなったか。

花粉症との付き合い

自分がひどい花粉症だと意識したのは中学から高校生時代。春はスギ、ヒノキ、秋はブタクサと思われる花粉に悩まされ、4月からGW明けのこの時期、秋は9月末から10月にかけてはひどい時は1日に1ボックスティッシュが必要になる程にはひどい花粉症と付き合ってきました。

親もひどい花粉症持ちでした。スギのアレルギー物質を一定期間、皮下注射することで身体が日常的に花粉のアレルギーに慣れるようにする「皮下治療」やレーザーによる治療を試していましたが、私自身は、注射にしろ、レーザー治療にしろ、怖さが先にでて、試さずにいました。

そのような中、出てきたのが、「舌下免疫療法」です

舌下免疫療法とは

「舌下免疫療法」は舌の裏に薬を垂らして服用することを毎日、長い間続ける方法です。詳細は各種医療機関の説明の方が優れていますが、要は、「日常的にスギ花粉のアレルギー物質を服用することで身体を慣らす。」こととなります。

ちなみになぜ「舌の裏」なのか、というと、舌の下にはアレルギー反応を抑える働きに関与する免疫細胞があるらしいのです。この細胞に、毎日薬を浸透させることで、徐々にスギ花粉に身体を慣らすそうです。

舌下免疫療法の開始時期は6月頃から11月頃まで

当初、「舌下免疫療法をしたい」と、耳鼻科の窓口に行ったところ(4月頃)、検査のみとなりました。実は、舌下免疫療法は、アレルギー物質=スギ花粉が飛ぶ可能性がない時期に始める必要があるそうです。

そのため、開始可能な時期は毎年6月前後から、11月頃までの約5ヶ月、限られた時期となります。

さらには、適性があるかの事前検査が必要となります。当たり前ですが、スギ花粉のアレルギーを持っていないと舌下免疫療法の効果がありませんので、スギ花粉アレルギーがあるのかの検査をすることになります。

次に、最低3年間、毎日継続して投薬をつづけることができるかの同意が必要となります。こちらについては、後述しますが、iPhoneのリマインダー機能を利用することで乗り切ることができました。

シダトレンを半年ほど投与

2018年の10月頃から、舌下免疫療法を開始しました。当初は、シダトレンという液体状の薬剤を服用することになりました。このシダトレンですが、10度以下(つまり冷蔵庫)での保管が必須でした。

  • 初回は、医師の前で
  • 初め週は、1週間毎
  • 次の週は、2週間毎
  • 最後に、1ヶ月毎

と、徐々に期間を長く、また、シダトレンが含んでいるスギ花粉アレルギー物質の量が増えていったと記憶しています。

この薬剤を毎日1回、舌の裏に垂らして1分間。1分後に飲み込んで、5分間飲食はしない。これを毎日続ける必要がありました。問題となるのは、出張や、旅行などです。投薬が途切れると、それまでの継続が無意味になってしまいますので、何が何でも毎日続ける必要があります。

何度か、出張などがありましたが、保冷剤と保冷バックを駆使して乗り切ることができました。

シダキュアとの出会い

ちょうど、2018年の夏から世間に出回ってきたそうですが、シダトレンに変わる次の薬としてシダキュアというラムネのような錠剤タイプの薬が登場しました。

シダトレンと比較すると、 固形である(冷蔵保管が必要ない) という点が優れています。保管の心配がありません。このシダキュアを治療中の耳鼻科でも取り扱い始めたので「切り替えてみるか」ということが2019年初頭だったと記憶しています。

シダトレンとは異なる薬のため、切り替えの際は、再度、

  • 初回は、医師の前で
  • 初め週は、1週間毎
  • 次の週は、2週間毎
  • 最後に、1ヶ月毎

というプロセスを踏んで、アレルギー物質の量と、処方の頻度を増やしていきました。

毎日服用の味方、リマインダー

iPhoneの標準機能に「リマインダー」というアプリがあります。

こちらのアプリを利用して

  • シダキュアを服用を「毎日6時30分」に「繰り返し」、「フラグ:重要」として登録

をしていました。こうすることで「実行済み」にしない限り、iPhoneのロック画面にずっと表示されます。iPhoneを見ない日はほぼないため、飲み忘れをしていてもこのリマインダーのおかげで忘れずにいれたことは何度かありました。

3年半つづけてみてどうなったか。

2018年から続けると、初めの年、2019年春は、普段と変わらない程度の花粉症でした。

2020年春は、コロナ禍ということもあり、外に出る機会が減りましたが、鼻がぐずつくことや、目から涙がでることはなく、「あれ?なんか改善しているかも?」という状態でした。ただ、洗濯物を外干ししているとまだまだダメそうで、なんだか身体の調子が良い日は、花粉症であることを感じない、という形で、明らかに良い影響がでてきていました。2020年春は、フェキソフェナジン(アレグラ)の投与は朝晩しっかりと続けていました。

2021年春は、(こちらもコロナ禍ということもあり)室内にいる間は、花粉の季節であるにもかかわらず、マスク不要で行動することができていました。空気清浄機も必要ありません。明らかに効果がでてきていました。ただ、目が少し痒いな。(鏡で見ると)目が赤いな、ということはありました。フェキソフェナジン(アレグラ)については、「なんか今日調子悪いな」という日にのみ、朝夜、飲むようにしました。

そして2022年春、主治医にそろそろ3年経っていて、花粉の季節がおわったら舌下免疫療法をやめてみたい旨を相談し、4月末で終了することにしました。2022年、5月の連休に入るまで、自分がスギ花粉であったことを忘れてしまうぐらいに、今年は皆無でした。ただ、花粉が強い日は、目が赤くなってしまうことはありましたが、それも鏡を見て気がつく程度のもので、意識はほとんどしていませんでした。そしてなんと フェキソフェナジンはほぼ使いませんでした

治療費について

最後に、この3年間の治療費ですが、ざっくり言うと毎月3000円あれば十分お釣りが来る程度でした。内訳としては、

  • 毎月の診察(600円程度)
  • シダキュアの処方(2000円程度、フェキソフェナジンを処方してもらうともう少し高い)

しかも保険適用かつ、医療費控除の対象にもなりますので、毎月の診療明細やレシートを保存しておき、必要になったら確定申告で医療費控除を行えるようにしておくべきです。なんだかなんだで、この3年間、毎年医療費控除の対象となりました。

効果があるかや、その程度に関しては個人差がある とされていますが、毎日薬の投与を続けること、毎月1度は医師の診断を仰ぐことをつづけるだけで、QOLが大きく変わる効果がありましたので、まだ迷っている方は、今年から是非とも始めるべきだと思います。少なくとも私は、スギ花粉に悩まされることは無くなりました。

次は、ダニアレルギーをしてみようかな・・・